伊東純也は「当確」なのか。久保建英、堂安律...競争激しい右サイド (2ページ目)
「純也は攻守に思い切って、アグレッシブに戦ってくれました」
森保一監督は、セルビア戦の伊東をそう評している。
「前半、ボールが入らなかった時から、我慢強くプレーしてくれました。守備でシステム的にミスマッチしていたところ、献身的に走ってスペースを埋め、カバーしてくれた。後半は、まさにいい守備からのいい攻撃。CKからゴールを決めてくれましたし、背後のスペースに抜けて、(オナイウ)阿道にいいクロスを送っていました。2点目は幻のゴールにはなりましたが、奪いにいく姿勢をチームとして示せたのが良かったです」
森保ジャパンが3-4-2-1のシステムを採用した場合も、伊東は適応性が高い。右ウィングバックとしてもアップダウンを繰り返し、サイドを支配。スプリンターとしてだけでなく、スタミナも豊富で、ズレを作り出したときは独壇場となる。伊東がファーストチョイスになっているのは、必然と言えるだろう。
もっとも、これはチームとしての戦い方次第である。例えば、右サイドで左利きの選手を配置し、中に切り込みながら、ゲームを作るタイプを起用し、左で仕留める。それもひとつの形で、それを実現できる人材もいるのだ。
その場合、久保建英、堂安律の2人は有力候補だろう。2人ともただ切り込むだけのドリブラーではない。起点になれるし、ラストパスも卓抜で、何よりシュート精度は万金に値する。加えて左利きの感覚は特別で、相手に的を絞らせず、独創的なプレーで勝負を決められる。セルビア戦の日本代表は左利きが少ない点で物足りなかった。意外性のあるプレーが乏しく、その単調さが苦戦にもつながっていた。全体的に右利きが多いと、選手の動きや発想が一本調子になりがちだ。
◆東京五輪代表メンバーの残り枠は「3」。当落線上ギリギリにいる選手は?
率直に言って、南野は左サイドでゲームを作る選手というよりも、ゴールに近いところで力を発揮する選手で、明らかに空回りしている。自陣に戻ってボールを受けようとして、センターバックからのフィードを背負って受けようとして食いつかれてボールを奪われ、この日、最大のピンチを与えていた。ポジション適性は、もう一度整理して改善する必要があるだろう。
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