日本代表のシステム変更と鎌田大地の活躍にスペインの名指導者が喝采 (2ページ目)
先制点のシーンは、バックラインの吉田麻也からすばらしい縦パスが鎌田に入っている。南野との連係から、あっという間にゴール。鎌田は南野と縦の関係でズレを生み出し、プレークオリティの高さを見せつけている。南野はシュートシーンで右アウトサイドを使ってGKを冷静にかわしており、その技量の高さを改めて証明した。
2点目は、右サイドの伊東純也が中央へ横にボールを運んで、守備ラインを混乱させている。パスを受けた南野が、左サイドを駆け上がった長友にスルーパスを出し、ゴール奥深くに侵入。完璧な折り返しを大迫がヘディングで決めた。実に戦術的な匂いを感じさせるゴールだった。
右でも、右サイドバックの酒井宏樹が攻撃に厚みを加えていた。3点目は、自身の突破からペナルティエリア内で倒され、PKを獲得。4点目も、酒井が南野へ出したパスが起点となって、クロスの折り返しを大迫が押し込んだ」
日本は前半だけで4得点を記録したが、スコア以上のワンサイドゲームだった。反省点を見つけるのは難しい。しかし、エチャリは改善すべきプレーも指摘した。
「前半、日本は優勢だったことで、多くのセットプレーを奪っている。にもかかわらず、例えば3度続けて同じようにCKを蹴って、容易に相手に処理されていた。ミャンマーの選手との高さの差を考えれば、あまりにイージーな選択だった。これはずっと指摘している点だが、セットプレーでは、通用しないプレーを延々と仕掛けるべきではない。
また、ペナルティアークにシューターを配置しないのも気になった。セカンドボールをゴールに直結させるようなミドルシュート、もしくはラストパスによって、もっと点差を作り出せたはずだ」
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後半、日本はさらに6点を決めた。エチャリはシステム変更への適応について喝采を送っている。
「日本は後半から選手交代で4-3-3に完全に切り替えている。遠藤がアンカー、原口元気、鎌田がインサイドハーフ。システムが変わっても、日本は実力差を見せ続けた。とりわけ、鎌田は卓抜した動きでスペースをつくり、簡単にパスを入れ、ポジションに適応していた。遠藤に代わった橋本拳人はプレーメーカーとしての要素が強く、攻撃のリズムは最後まで途切れなかったと言えるだろう」
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