森保Jミャンマー戦とモンゴル戦を比較。同じ大勝でもデータに大きな違い
森保ジャパンにとって、2022年カタールW杯アジア2次予選の6試合目となったフクダ電子アリーナでのミャンマー戦は、大方の予想どおり、一方的な展開で日本が10-0で大勝。2試合を残して日本のグループF首位通過が確定した。
3月の試合につづき大勝した日本。今回のミャンマー戦では攻撃をうまく変化させた コロナ禍で延期されていたグループFの未消化試合がすべて日本で集中開催されることは、明らかに日本に有利に働いた。しかも、現在のミャンマー国内の情勢を考えれば、この試合は特殊なケースと位置づけるべきだろう。
そこで今回は、同じような特殊なシチュエーションで行なわれた、3月のモンゴル戦と比較しながら掘り下げてみる。コロナ禍によりモンゴル側からの申し出で、同じスタジアムで試合を開催。相手のコンディション、日本との実力差、どちらも二桁得点で圧勝した点なども、共通しているからだ。
まず確認しておくべきは、相手の守備方法だ。モンゴルの布陣は4-1-4-1で、日本の両サイドバック(SB)のオーバーラップに対して2列目両ワイドMFがついていって封じようとした。また、日本のビルドアップを封じる策はとらずに自陣での守備を受け入れて、とくに自ゴールに近いゾーンでは人を意識したマンマークが目立っていた。
一方、ミャンマーは、モンゴルと同じ4-1-4-1の布陣だったが、守備方法は少し異なっていた。共通点は、日本のビルドアップ時にプレスをかけず、自陣で網を張って待ち構えたこと。ただし、人を意識したモンゴルと違い、ミャンマーはスペースを意識したゾーンディフェンスを基本とした。
たとえば、長友佑都のオーバーラップに対しては、右ワイドMFの23番と右SBの4番がお互いに声を掛け合い、その都度、マークの受け渡しを行なう。ただ、その運用が曖昧だったため、早い時間帯で綻びを見せた。逆に言えば、日本のスピーディかつ多彩な攻撃が、ミャンマーの守備プランを崩壊させた。
日本の攻撃の変化は、モンゴル戦との違いを挙げるとすれば、右サイドからの攻撃だ。
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