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日本代表のシステム変更と鎌田大地の活躍にスペインの名指導者が喝采

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「両チームの力の差はあまりに大きく、スコアを論ずることにあまり意味はない」

 スペインの名伯楽、ミケル・エチャリはそう言って、日本がミャンマーに10-0で勝利した試合を振り返っている。

「だが、森保一監督が率いる日本は、とても好感の持てる戦い方だった。各ラインのバランスの良さは好ましかったし、スライドも絶えず機能的に行なわれ、ラインの中で選手が高さを変えて攻守にズレを生み出し、終始優位に立っていた。『スペースをつくり、スペースを支配する』という点で、戦術レベルがとても高かった」

 エチャリは、レアル・ソシエダ、アラベス、エイバルなどで強化担当や監督として数々の成果を残してきた。バスク代表監督(FIFA非公認)を長く務め、プレミアリーグのクラブのスカウトも経験。海外で行なう指導者講習は引く手あまたで、世界的サッカー識者と言える。

「各選手のプレーに対する理解を感じた。その点は、相手のレベルと無関係だ」

 エチャリはそう言って、ミャンマー戦の克明な分析を始めた。

ミャンマー戦にフル出場し、1得点をあげたほか多くのチャンスを作った鎌田大地ミャンマー戦にフル出場し、1得点をあげたほか多くのチャンスを作った鎌田大地「日本は4-2-3-1の布陣で戦っている。同じシステムを用いて、極端に守備を重視した戦い方をしなかったミャンマーを相手に、ほぼ一方的な展開になった。その証拠に、GK川島永嗣はほとんどプレーに関与していない。

 序盤、目立ったのは日本の左サイドだ。

 左サイドバックの長友佑都が高い位置をとってプレーすると、左アタッカーの南野拓実が中に入ってトップ下のような動きを見せ、大迫勇也や鎌田大地とコンビネーションを作って優位に攻め込んでいる。その連係は変幻自在で、南野がサイドで幅を取った時は長友がインサイドに切り込み、中を切り裂いて奥行きを作った。最近は代表で低調だった長友だが、老練なプレーで存在を示していた。

 チームとして、日本の動きは戦術的にスムーズだった。ボランチの守田英正、遠藤航の2人は補完関係ができていた。お互いのカバーができていることで、攻守に厚みがあった。2人を中心に、横のスライドも整然としていた。

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