久保建英が低調だった理由。森保監督とエメリからの評価は似ているはずだ (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by ©JFA

 対戦するふたつのチームが互いの出方を探り合いながら、勝負どころを見極める。そんな試合序盤の時間と、やるべきことがはっきりしている試合終盤の時間とでは、求められるプレーがまったく異なるからだ。

 と同時に、試合後の森保一監督が「今持っている力を発揮してくれたと思う」と久保を称える一方で、「これから体力的にも(力を)つけていってもらいたい」と指摘したように、フィジカル面で課題があるのも確かだろう。

 決して守備意識が低いわけではないが、ボールを奪うべきところで奪い切れなかったり、後半に入ると、逆に体をぶつけられ、マイボールをあっさり失ったりという場面は何度か見られた。

 久保はビジャレアルでも、今季リーグ戦はここまですべて途中出場。試合終盤にピッチに立てば、必ずと言っていいほどキラリと光るプレーを見せてはくれるが、現状ではあくまでもジョーカー、スーパーサブといった位置づけだ。

 起用方法を見る限り、おそらくビジャレアルを率いるウナイ・エメリ監督の評価に、森保監督のそれと大きな隔たりはないのだろう。

 だとすれば、久保がやるべきことははっきりしている。エメリ監督を納得させ、所属するビジャレアルでポジションを手にすることだ。

 世界最高峰のレベルを誇るリーグで、安定したパフォーマンスを90分間、しかも毎週の試合で発揮できるようになれば、日本代表でそれができないはずはない。

 非凡な才能を持っている。しかし、まだ成長途上の19歳。大きな期待は、長い目とともに持っていたい。

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