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久保建英が低調だった理由。森保監督と
エメリからの評価は似ているはずだ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by ©JFA

 まずは久保が最も得意とするポジション、すなわち2列目の右サイドでプレーできなかったことだ。

 ビジャレアルでのプレーを見ていてもそうだが、左利きの久保は右サイドで体を内側に向けてパスを受け、相手選手から遠い左足でボールを持ったときに、最もプレーの選択肢が多くなる。少しの時間を除き、左サイドに張りついた久保のプレーは、どこかぎこちなさを感じさせた。

 まして、この試合の右サイドバックは、DF室屋成だった。FC東京時代には一緒にプレーしていただけに、久保が右であれば一層プレーしやすくなっていたのではないか。そんなことを想像させた。

 そして、ふたつ目は前線の4枚、すなわち1トップのFW鈴木武蔵、2列目のMF伊東純也、MF鎌田大地、久保が、初めて一緒にプレーする組み合わせだったことである。

 4人それぞれのプレーは決して悪くなかったが、互いが連係することでプラスアルファを生み出すという点においては、機能性に欠けていた。

 例えば、鎌田が相手DFとMFの間でパスを受けても、次のプレーにつながらなかったり、そもそも次の選択肢がなかったりと、せっかくのいいプレーがぶつ切りになってしまう。そんな印象を何度も受けた。

 象徴的だったのが、前半32分のシーンだ。

 中央から右サイドにボールが展開され、ボランチのMF柴崎岳が鈴木とのパス交換でゴールライン際まで切れ込むも、折り返しのクロスには誰も詰めていなかった。

 直後の鈴木のリアクションを見ると、おそらく彼は、左サイドから久保がゴール前に入ってくる絵を描いていたのだろう。だが、当の久保は、ボールが中央にある時点で左サイドに開いて構えており、それには間に合わなかった。

 その後の久保は、41分にDF冨安健洋からの浮き玉の縦パスを柔らかなトラップで収め、ドリブル突破から高速クロスにつなげたシーンをはじめ、ボールを持ったときには非凡な才能を垣間見せてはいた。

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