川口能活が語る南アW杯。
レギュラー剥奪された選手もグッとこらえた (4ページ目)
南アフリカW杯直前のチームの様子を語る川口 南アフリカのベースキャンプ地であるジョージに入ると、川口は中澤、楢崎、中村らと"散歩隊"を作って、広いゴルフコースを歩いた。そして、食事のテーブルには、主力からサブに転じた選手たちが自然と集まるようになっていた。
そこで、川口は誰もがストレスをためないように振る舞った。練習でも、いつも以上に全力でやることを心がけ、サブとなった面々を引っ張っていった。一方で、若くしてレギュラーの座をつかんだ本田や長友には、「思い切ってやれ」と積極的に声をかけた。
劇的に変化し続けるチームであっても、その士気が落ちることはなかった。岡田監督の期待どおり、川口はチームのまとめ役を果たしたのだ。
ジョージに入って数日後、川口は岡田監督に再び部屋に呼ばれた。
「選手はどうだ?」
岡田監督にそう訊かれて、川口はこう言った。
「動きはよくなっていると思います」
「(テストマッチのコートジボワールとの)試合を見て、どう思った」
岡田監督からそう質問されると、こう答えた。
「ちょっと相手が強かったのもありますが、結果が出ていないので、そこでの不安はあるかもしれません」
イングランドに1-2で敗れたあと、コートジボワールには0-2で負けた。とりわけコートジボワール戦は、相手に一方的にやられて、内容的には0-2というスコア以上に何もできなかった。
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