2018.07.03

川口能活が語る南アW杯。
レギュラー剥奪された選手もグッとこらえた

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

私が語る「日本サッカー、あの事件の真相」第7回
出番のない「第3GK」として招集されて~川口能活(2)

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 南アフリカW杯の日本代表メンバー23名の中に入った川口能活だが、岡田武史監督から指定されたポジションは"第3GK"であり、"チームキャプテン"としてチームをまとめるという、非常に難しいミッションを託された。

 それでも、およそ1年4カ月ぶりに合流した日本代表は、やはり「特別だ」と感じられる場所だった。

「チームに合流したときは、うれしかったですね。代表を外されてから、悔しさを噛み締めつつも、自分が招集されたときのために、このメンバーと一緒に戦う際にはどうしたらいいか、ということをシミュレーションしながら、テレビで試合を見ていましたから。だから、合流しても違和感はなかったし、逆に(代表から)少し離れていたことで、新鮮に感じられました」

代表に合流し、全力でトレーニングに取り組んだ川口能活。photo by YUTAKA/AFLO SPORT その一方で、川口は岡田監督からのミッションを果たすべく、選手たちにどう対応すべきか、少し悩んでいた。脳裏に浮かぶのは、過去に3度経験したW杯において、唯一結果が出て、成功したと言える2002年の日韓共催大会のことだった。

「日韓共催W杯のときは、中山(雅史)さんや秋田(豊)さんが、ベテランとしてうまくチームをまとめていました。日本が勝つためには、そういう選手が絶対に必要だと思っていました。ただ、僕は中山さんや秋田さんのようなキャラじゃない。中山さんのように笑いが取れるわけではないですからね。

 それでいろいろと悩みましたが、(自分は)特別なことはできないので、自分は自分らしく、練習を100%でやった。試合に出るための準備や姿勢をしっかり見せて、若い(本田)圭佑や(長友)佑都らに声をかけたりして、(みんなが)いい雰囲気でプレーできるように心がけました」