福田正博はW杯に希望がほしい。
「個の力より、組織力を高めてくれ」
【福田正博 フォーメーション進化論】
3月末のインターナショナルマッチウィークで、日本代表はマリ代表、ウクライナ代表との強化試合を行ない、マリ代表に1-1で引き分け、ウクライナ代表には1-2で敗れた。
3月24日のマリ戦はテスト色が強いスタメンとなったが... 率直に言って、ロシアW杯への期待を高めることができたとはいえない試合だった。結果が芳(かんば)しくなかったからではない。その内容に、希望を感じる要素を見つけにくかったからだ。
ハリルホジッチ監督は、「W杯ではより良い状態の日本代表を見せられると思う」と語っていたが、その言葉を素直に信じられるほど、現在の日本代表が置かれている状況は簡単ではない。
CBの吉田麻也、右SBの酒井宏樹、MFの香川真司を故障のために招集できなかったことを考慮しても、今回の強化試合にはメンバーをもう少し固定して臨むべきだった。特に、守備に関しては一朝一夕で連係が深まるものではないため、ここまでの試合でともにプレーしたことがあるメンバーを起用してもよかったのではないか。
仮想セネガルのマリ戦は、かなりテスト色が強い試合になった。日本代表初先発となった右SBの宇賀神友弥をはじめ、GK中村航輔やMF大島僚太など、A代表の出場数が少ない選手がスタメンに名を連ねた。
不動のレギュラーといえる選手は、MF長谷部誠と左SBの長友佑都のみ。CBの槙野智章と昌子源が実績を積んできたとはいえ、新しく起用された選手たちが多くなり、メンバーが一新されると連係を深めることは難しい。
これは以前、(田中マルクス)闘莉王が話していたことだが、DFは「味方の長所も見るけど、それよりも味方の苦手なことを把握することに重点を置いている」という。
守備は攻撃よりもチャレンジ&カバーが重要となるポジションであり、ひとりがボールを奪取するためにチャレンジをしたら、周囲の選手がカバーする。これを実践するには、CBはSBだけでなく、ボランチやGKを含めて互いのプレーの特徴とウィークポイントをつかんでおく必要がある。
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