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ハリルの選手起用で考える、
守備的MFは永遠に「長谷部頼み」なのか (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 その山口が故障すると、今度は柏木に白羽の矢が立った。スタメンで4試合、交代で2試合出場を飾った。だが2016年10月、メルボルンで行なわれたオーストラリア戦を最後に、パッタリと呼ばれなくなる。切り捨てられたという印象だった。GK西川周作、CB森重真人同様、逆鱗に触れることがあったのだろうか。

 しかし、それ以上に理解に苦しむのは、最終予選の初戦UAE戦にいきなり先発させた大島僚太の起用法だ。アジア杯でアギーレジャパンがPK負けしている上昇ムード著しい相手に、これが初代表となる若手をいきなりスタメンで抜擢。そこで大島がPKを献上する反則を犯すと、後半の早い時間にさっさとベンチに下げる始末。大島の代表キャップは結局、この1試合のみに終わった。招集メンバーにさえ加えられなくなった。

 1人の若手の将来を潰しかねない采配ミス。以降の予選の戦いを苦しくした采配ミス。糾弾されてしかるべき采配ミスだった。こうした事件が起きると、チームは落ち着きを失う。監督と選手の信頼関係に大きな溝が生まれる。

 その後、長谷部とコンビを組むことになったのは結局、山口。これにより山口・長谷部で落ち着くかに見えた。ところが今度はUAEとのアウェー戦(2017年3月23日)を前に、肝心の長谷部がブンデスリーガの試合で負傷する。

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