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ハリルの選手起用で考える、
守備的MFは永遠に「長谷部頼み」なのか (6ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 この中心選手不在の緊急事態を救ったのは、代表チームを卒業したつもりでいた今野だった。2?0は、今野なしでは語れない勝利と言えた。

 だが、長谷部が復帰すれば今野は不要になる。年齢を踏まえると、2人を同時にピッチに送り出すことはできない。

 2017年8月31日。勝てば本大会出場が決まるオーストラリアとのホーム戦のピッチに、キャプテン長谷部はなんとか立つことができた。4-2-3-1から4-3-3に変更された布陣のアンカー役として。しかし、この試合で長谷部は、大丈夫かと首をひねりたくなる大きなミスを繰り返す。2018年の本番まで彼は持つのかと、見る側を不安へ陥れた。

 予選最後のサウジアラビア戦(アウェー戦)は、長谷部に代わり、山口蛍がアンカー役を務めた。だが山口は、中心選手を補助するプレーが得意な選手。アンカーとして操縦桿を1人で操作する器の大きさはない。長谷部不在を多くの人が嘆いた。わずか5日前、技術的に日本で最も危なっかしく見えたベテラン選手は、一転、頼もしいキャプテンとして崇められることになった。

 この長谷部頼みの現実に、日本の限界が見える。

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