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【夏の甲子園2026】150キロ全盛時代に現れた"精密機械" 佐野日大・鈴木有が130キロ台の速球でも強豪を封じられるワケ

  • 元永知宏●文 text by Tomohiro Motonaga

 1回戦の聖隷クリストファー(静岡)戦で6安打完封勝利を挙げた、佐野日大(栃木)のエース・鈴木有。一方、神村学園(鹿児島)には、春の選抜で強打の横浜(神奈川)打線を封じた龍頭汰樹がいる。

 好投手同士の投げ合いが期待された一戦だったが、プレーボールの瞬間、両エースの姿はマウンドではなく、ブルペンにあった。

佐野日大のエース・鈴木有 photo by Ryuki Matsuhashi佐野日大のエース・鈴木有 photo by Ryuki Matsuhashiこの記事に関連する写真を見る

【両軍ともエースはリリーフ登板】

 神村学園の小田大介監督はその起用法について、こう語った。

「今年は本気で日本一を狙ってきました。決勝まで勝ち上がることを考えたら、龍頭ひとりでは無理なんです。もうひとりのピッチャーにも踏ん張ってもらわないといけない。だから、2年生の松永遥斗に先発を任せました」

 ブルペンで龍頭のボールを受けていた家木杏史(いえき・あんじ)は、こう言う。

「試合の展開次第では、早めに龍頭さんが登板する可能性があると言われていたので、そのつもりで準備をしていました」

 エースの龍頭がマウンドに上がったのは、松永が佐野日大打線につかまり、2点を失った3回表だった。なおも二死三塁、打席には3番打者を迎えていた。龍頭は冷静にフライに打ち取り、ピンチを切り抜けた。

 そして、佐野日大のエース・鈴木がマウンドに向かったのは、先発した2年生の沖崎翼が1点を失ったあとの5回からだった。鈴木は言う。

「この夏、初めての中継ぎ登板だったんですけど、練習試合では何度か経験していたので、それが生きたと思います。気負うことなく、強打の神村学園に立ち向かっていきました」

 1回戦から登板間隔が中6日空いたこともあり、疲労はなかったという。

「こちらに来てから、トレーニング系のメニューができていなかったので、ウエイトトレーニングを取り入れて、試合に備えました」

 聖隷クリストファー戦と同様、この日も鈴木のピッチングが冴えた。5回から8回までの4イニングを2安打に抑え、追撃を許さない。3対1で迎えた9回裏には、安打と四球で無死一、二塁のピンチを招いたものの、後続を抑えて勝利をつかんだ。

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著者プロフィール

  • 元永知宏

    元永知宏 (もとなが・ともひろ)

    1968年、愛媛県生まれ。 立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。 大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。著書に『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)、『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)など多数。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長

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