川澄奈穂美は感じる。「30代で、こんなにサッカーが楽しいなんて」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「今、本当にサッカーが楽しい!"自分"を理解しているし、試合への持っていき方、何をしなければいけないかもハッキリしている。それでいて伸びしろが見えるのは本当に楽しいですよ(笑)」

 サッカーを楽しむだけで満たされないのがアスリートの性(さが)。自らの限界がさらに広がっていく実感があってこそ、彼女たちはそれを充実と呼ぶことができるのだろう。20代後半には、今後が見えてしまったような感覚に陥ったこともあったという。

「本当にいろいろな経験をさせてもらえて、これ以上新しい感覚に出会えるのかな? って思ったこともありました。自分のプレーは最大限に発揮しているし、でも現状維持はイヤだし......って」

 それがタイミングだったのだろう。アメリカに来たことでその迷いは一蹴された。

「30代になって、こんなにサッカーが楽しいって思ってプレーできるとは思っていなかったんです。楽しくサッカーをやりたいって想いはあったけど、自分が想像していたものとは桁違いの楽しさがここにはありました」

 ひと昔前であれば、30代を迎えると女子サッカー選手は下り坂と思われることが多かった。けれど今は違う。少なくとも31歳の川澄の"今"は伸びしろで埋め尽くされている。想定や限界を打ち破る、新たな30代の女子プロサッカー選手の在り方を彼女が見せてくれるに違いない。

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