2020年に期待大。U-20女子W杯出場を決めたヤングなでしこ (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 決勝の位置づけは"ワールドカップへのスタート"。だからこそ、「北朝鮮には負けられない」「優勝カップを掲げるんだ」と選手に話した。この世代の選手たちは、2020年の東京オリンピックの"なでしこジャパン"へと成長していかなければならない。ポテンシャルは十分に秘めているが、足りないのは勝負強さであり、自信だった。

「選手からは自信がないという声も聞こえてたから、10人で戦ったり、延長、PKとフルコースで戦ったり......、厳しい決勝だったけど、そこにタイトルがついてきたことで大きな自信になったと思う」(高倉監督)

 そしてチームがまとまった要因のひとつは"プレッシャー"だった。

「私たちが想像している以上に前回大会を経験している選手たちの想いが強かった。それは痛々しいくらいに。特に準決勝での選手たちの緊張はすごかった。だからこっちとしても絶対に世界大会へ連れていってやりたいと思った」(高倉監督)

 気持ちの強さは上の世代が落とし込み、自信と勢いは下の世代が持ち込んだ。それでも足りないと高倉監督は言う。

「みんな上手いけど、こぢんまりとしちゃってる。もっとパンチがほしい。U-20年代ともなれば、格段にレベルは上がる。このままでは世界は戦えない。ここから自覚を持って取り組んでほしい」

「世界大会よりも難しい。これがアジアなんだと痛感した」と高倉監督が語る大会を制したヤングなでしこ。今大会、攻守に生まれた多くの課題はすべて"可能性"でもある。来年、パプア・ニューギニアで開催されるU-20女子ワールドカップではどのような戦いを見せてくれるのか、期待が膨らむ。

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