2020年に期待大。U-20女子W杯出場を決めたヤングなでしこ

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 中国・南京で行なわれていたAFC U-19女子選手権決勝で、日本は北朝鮮とPK戦にまでもつれ込んだ死闘を制し、2大会ぶりの優勝を手にした。

今大会4点を挙げ、MVPに選出された小林里歌子(常盤木学園)今大会4点を挙げ、MVPに選出された小林里歌子(常盤木学園) 現在、アジアにおける日本女子サッカーの立ち位置は、常に大会の優勝候補に名を連ねるトップクラスである。日本をはじめ、北朝鮮、韓国、中国、オーストラリアの5強がしのぎを削る勢力図。これらはすべての世代代表に当てはまる。U-19女子代表――通称"ヤングなでしこ"にもそれは通じる。

 上位3チームに与えられる、来年のFIFA U-20女子ワールドカップへの出場権がかかった今大会。日本はオーストラリア、ウズベキスタン、中国とともにグループAに入った。3強がそろったグループAは得失点差も含めて、すべての試合結果が決勝トーナメント進出を左右する。順調に勝ち進んだ日本は一番乗りで決勝トーナメント進出を決めたが、勝負はここからだった。

 準決勝の相手は韓国。総当たり方式だった2013年の前回、日本は大会中盤で当たった韓国に0-2で敗れると、残り2戦も勝ち越すことができず、わずか「1」の得失点差で世界大会出場を逃している。いくら内容で勝っても、結果につながらなければ涙するのは自分たちだ。1勝、1ゴール、1勝点の重みを痛感させられた。

 当時のメンバー7人が残り、そのひとりが長谷川唯(日テレ・ベレーザ)だ。飛び級でU-19女子代表に招集されていた彼女はその後、U-17女子代表として世界一になった。チームの中心選手として各世代のカテゴリーで活躍しながら、未だアジアを制した経験を持たない変わり種だった。その長谷川が今大会では苦しんでいた。

「納得できるプレーができていない」(長谷川)

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