日本代表メンバー発表。いつもの名前に隠された新監督の意図 (4ページ目)
その実質的スタートは、「選ぶメンバーは随時、入れ代わる可能性がある」という次回からになるとはいえ、今回、チュニジア戦、ウズベキスタン戦でパッとしないプレイを見せた選手は、次回の落選候補になるわけだ。これまで閉ざされていた門戸は、完全に解放された状態にあると言える。代表レースはいま、本当に久しぶりに面白い状況を迎えている。
だが、テストが増えれば、成績は出にくくなる。ハリルホジッチは「私は負けることが大嫌いだ」と言いながら、一方で、詰めかけた報道陣に向かってお願いした。「時間を下さい」という台詞(せりふ)を、就任記者会見で彼は何度となく口にした。
大仁邦彌サッカー協会会長は、どんな面持ちで耳を傾けていたのだろう。会長は、その冒頭の挨拶で「3ヵ月後(6月)には、W杯予選という本番が控えている」と言って、時間のなさを強調した。アギーレ解任会見でも、それを解任の理由にしていた。しかし、W杯予選は本番に違いないが、6月から始まるのはその最初のステージだ。どんなにドジを踏んでも、そこで敗退する可能性はほぼゼロ。むしろテストをするには、おあつらえ向きの環境と言いたくなるほどだ。
テストを怠り、「絶対に負けられない戦い」と称し、弱者相手にもガチガチのメンバーで戦い、そして最後に失速したザックジャパンの反省は、会長の言葉を聞く限り、全くできていない様子だ。
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