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日本代表メンバー発表。いつもの名前に隠された新監督の意図 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

 ハリルホジッチは会見でこう述べた。

「故障者の中にも代表に呼び、こちらの考えを伝えておきたい選手がいる」

 この言葉の対象者こそが、今野だったのだ。ハリルホジッチが期待を寄せている選手であることが推察できる。

 世代交代の話題では、とかく誰が入るかに注目が集まるが、誰が去るかも欠かせない視点になる。日本は長年、同じようなメンバーで戦ってきた国。岡田ジャパン、ザックジャパン、そしてアギーレもその流れでアジアカップを戦った。しかもそのスタメンは、4試合とも不動というおまけつきだった。

 一口に日本代表チームと言っても、主要メンバーとそれ以外とには、大きな差がある。そして主要メンバーの年齢は高めだ。アジアカップでスタメンを飾った選手の平均年齢は28歳強。これはブラジルW杯本大会に出場した32チームの中で最も高齢だったアルゼンチンに匹敵する。各国の代表チームが、順次、若手に切りかえを図っている現在なら、日本は最高齢チームになっている可能性が高い。

 スタメンに30代の選手は3人。30歳を大きく超える大ベテランは、せいぜい1人。平均年齢で言うと26~27歳が、理想的なチームの姿だとされるが、その線に持って行こうとすれば必然的に、この先、メンバーの入れ替えを迫られる。知名度の高い何人かの主力は、去っていく運命にある。2018年の本番に30歳超で迎える前述の長谷部、本田、長友、岡崎等がその候補になるが、この従来の主要メンバーの、生き残りを懸けた争いは、いまひとつパッとしない若手の代表入りを懸けた争いより、興味深く見える。少なくともいまのところは。

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