遠藤保仁「みんなは、なんで日本代表に悲観的なの?」 (5ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Getty Images

 ブラジルW杯では、チームとしても、個人としても、世界との差を痛感させられた。その差を埋めて、世界でも戦えるチーム作りを目指して、アギーレジャパンは始動したが、はや半年で指揮官は解任された。チーム作りは道半ばで終わってしまったが、ブラジルW杯が終わって以降、チームや選手個々に何かしらの成長の跡は見られたのだろうか。

「ブラジルW杯のときよりも、どういう状況になっても慌てず、どっしりと戦える感じになってきたね。それは、W杯を経験したことが大きいと思う。戦術的な消化というか、吸収力も早くなった。アギーレ監督になって、システムが4-3-3になったけど、短時間でうまく攻撃を組み立てられるようになったし、コンビネーションもよかった。W杯とほぼ同じメンバーだったんで、当たり前と言えばそうなんだけど、それでも質は上がっていると思うよ。次、どういう監督になるのかわからないし、どういう選手が選ばれるかわからないけど、W杯メンバーをはじめ、今回のアジアカップを戦った選手たちには、まだまだ伸びしろがあると、オレは思っている」

 アジアカップでは途中交代が多く、遠藤本人は「まだやれる」と思っていただけに、途中でピッチから去るのは「悔しかった」という。

 今年、35歳となり、代表キャップは150試合を超えた。それでもなお、代表でプレイする意欲は衰えず、チームメイトからの信頼も厚い。新たな指揮官のもとでも、欠かせない存在になりそうだ。

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