遠藤保仁「みんなは、なんで日本代表に悲観的なの?」
日本代表
遠藤保仁インタビュー(1)
「アギーレ監督、解任」――衝撃的なニュースが駆け巡ったのは、ガンバ大阪が宮崎キャンプに出発する前日の夕方だった。日本代表の主力である遠藤保仁は、冷静な口調でこう語った。
日本代表は着実に強くなっていると語る遠藤保仁。「残念だよね。オレは好きな監督だった。(選手の自主性を重んじる)ザッケローニ監督やジーコ監督と違って、トルシエ監督に近い感じ。よく怒るけど、いいプレイをすると褒めてくれる。練習は、メリハリが利いていて、新鮮だった。日本人のメンタリティーをより理解すれば、日本代表にとって、すごくいい監督になると思っていたんだけどね......。(八百長疑惑の)裁判で、最終的に"クロ"の判決が出たのなら仕方がないけど、その前の段階で解任っていうのは、個人的にはもったいないな、と思っている」
アギーレ監督の解任が発表されるおよそ10日前、日本代表は連覇をかけて臨んだ2015年アジアカップ(オーストラリア)で準々決勝敗退に終わった。グループリーグは安定した戦いを見せて、3連勝で難なく突破。決勝トーナメント初戦のUAE戦でも、相手に先制点を許したとはいえ、日本が完全にボールを支配していた。しかし1-1に追いついたあと、相手をさらに突き放すことができず、PK戦(4-5)の末に敗れた。後半途中、柴崎岳と交代し、ベンチから戦況を見つめていた遠藤は、この敗戦をどうとらえているのだろうか。
「敗因? う~ん......簡単に言うと、点が取れなかっただけ。チャンスは作っていたけど、シュートを決められなかったからね。
一方で、失点したことを(問題視されて)いろいろと言われたけれど、グループリーグ3試合は無失点だったでしょ。守備に関しては、大きな問題はなかった。UAE戦に許した先制点は、やや集中力が欠けていて、マーク(の受け渡し)をミスしたことが原因。確かにそれは、オレたちの不注意だけど、結局相手はそのゴールシーンと、最初にカウンターで1回くらいしかチャンスがなかった。逆に、オレらは60%以上、ボールを支配していた。それって、ほぼ攻めっぱなしの状態だからね。それでも負けてしまうときが、サッカーにはあるんですよ」
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