札幌・バルバ監督が語った「代表監督本命、ハリルホジッチ」

  • 木村元彦●文・写真 text & photo by Kimura Yukihiko

 日本サッカーが模索を続ける今のタイミングで、その豊富な経験と知識を履歴してもらうに最も適した男は、熊本でキャンプを指揮していた。コンサドーレ札幌監督イビツア・バルバリッチ。バルバは日本代表新監督候補に名前の挙がっているヴァヒド・ハリルホジッチと同じくボスニア出身、キャリアを始めたクラブ、ヴェレジュ・モスタルでは直属の後輩にあたる。ボスニア代表のヘッドコーチも勤めた経験があり、ユーゴ系の監督については精通している。

 愛媛FCで斉藤学(現・横浜)を鍛え上げ、今また北の大地で小野伸二、稲本潤一を率いるJ2屈指の名将にハリルホジッチについて話を聞いた。

コンサドーレ札幌・バルバリッチ監督。 キャンプ地、熊本で取材に応じてくれたコンサドーレ札幌・バルバリッチ監督。 キャンプ地、熊本で取材に応じてくれた

 ――今日は日本代表監督のリストに上がっているとされるヴァヒド(ハリルホジッチ)について語ってもらいに来ました。FKヴェレジュ・モスタル(当時、ユーゴ)で、あなたがプレーし始めたときには、すでに彼はフランスリーグのナントに渡っていて、すれ違いだったはずですが、幾多の伝説が残っていたのではないですが。

「実は、ハリルホジッチが愛用していたスパイクを私は受け継いで履いていたのです。当時の若い選手は貧しくて、クラブを離れる先輩からスパイクをもらうということがよくあったのです。10歳くらい年上ですが、現役時代は絶大な人気を誇る攻撃的なFWでした。とにかくフィジカルが強くて、タイトなプレーをするという印象でした。特にヘディングが強くて、ナントでもすばらしい成績を収めて得点王になっています。彼は兄弟もいて、これもまたいい選手でしたね。82年のスペインW杯にユーゴ(当時)は出場するわけですが、そこでも貢献しています」

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