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【プロ野球】戦力外を乗り越えたヤクルト・増田珠の逆襲 「どこからも声がなければ語学留学するつもりだった」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura

 5月22日、球団は増田の体重表記を85キロから93キロへ変更したことを発表した。シーズン中の発表という珍しさもあり、ネット上でちょっとした話題となった。

「『別に記事にならなくてもいいのになあ』と思いましたけどね(笑)。でも、鍛えた結果として体重が増えたのは事実ですし、自分なりに頑張ってきた証しでもあります。だから広報の方にお願いして、変更してもらったんです。やっぱり85キロよりは93キロのほうが相手からの見え方も変わってくるでしょうし(笑)」

 ここまで(6月8日現在。以下同)4本塁打はキャリアハイ。チームメイトのホセ・オスナが日本語で「すごいパワー」と口にするほど、その長打力はチーム内でも一目置かれている。

「多く打席に立たせてもらっているところもありますが、ホームランや長打率が上がっているのは、馬力というか、出力が上がってきたことの表れだと思います。まだまだ伸ばせる感覚があるので、満足はしていません」

【師匠・松田宣浩からの教え】

 増田の野球選手としての魅力のひとつに、「チームの元気を循環させる力」がある。ヤクルト入団以来、選手がヒットやホームランを放った際にベンチ全体で喜びを共有できるポーズを考案してきた。山田哲人なら「山ポーズ」、村上宗隆(現・ホワイトソックス)なら「55ポーズ」がそうだ。

「みんなが一丸となって同じ方向を向いて戦う。それはチームにとっても、見ているファンの方々にとっても楽しいことだと思います。そうした一体感が、チームの強さにもつながると感じています」

 特筆すべきは、増田がヤクルト移籍1年目からそうした役割を担っていたことだ。

「師匠である松田宣浩さん(元ソフトバンクなど)から、『ヤクルトでは、まずは元気を出せ。それだけは怠るな』と言われていました(笑)。プレーに関しては、戦力外を経験したということもあって、『自信があります』とはなかなか言えませんでした。

 でも、チームを盛り上げることには自信があったんです。だからこそ、新しいチームに溶け込んでいくためにも必要なことだったのかなと思います。プレーもそうですが、この世界は遠慮してしまったら終わりです。『増田って元気があって、チームを盛り上げてくれる』と覚えてもらうことは、自分のなかでとても大事なことでした」

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