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【プロ野球】ヤクルト期待の大型遊撃手・田中陽翔が積み重ねた試行錯誤 「人と同じことをしていたら突き抜けられない」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 そのなかで、戸田の容赦ない暑さの前に、「夏はめちゃくちゃ疲れていました」と振り返るように、打撃も守備も動きが明らかに鈍くなり、際立っていた選球眼も影を潜めた。

「体が思うように動かず、自分の体力不足を痛感しました。これまでは休みの日も練習を優先してきましたが、やるべきことをやりつつ、休息や練習量を調整する必要性も感じました。大きなケガはなく1年を終えられたので、得た経験は今後に生かせると思います」

 二軍で.268あった打率は、8月30日には.237まで落ち込んだが、徐々に調子を取り戻し、二軍最終戦で5打数3安打と結果を残し、打率を.254まで回復。9月30日に一軍再昇格を果たすと、10月1日のDeNA戦でトレバー・バウアーからライトオーバーの2点タイムリー二塁打を放ち、プロ初安打・初打点を記録した。

「バウアー投手はカーブがすごいと聞いていて、初球にそのカーブが来たのですが、でも見逃して、『次は何が来るんだろう』と考えているうちに、もうモーションが始まっていました。そこで、来たボールを打とうと割りきってパチンと振ったら、あの結果につながったので、バッティングは割りきりが一番大事なのかなと思いましたね(笑)」

 また3日の広島戦では、プロ初の猛打賞を記録した。

【元プロの父からのアドバイス】

 公式戦終了後は、宮崎フェニックスリーグと松山(愛媛)での秋季キャンプに参加。コーチに「今のどうでしたか?」など、対話しながら練習に励んだ。

「いろいろな引き出しをつくったほうが自分のためになりますし、やってみてダメだったら、いったん頭の片隅に置いておく。そんな感覚で取り組んでいます。守備については、前に出る動きは少しずつできるようになってきました。あとはバウンドを合わせるだけなので、ひたすら前に出る練習を重ねています。

 逆にバッティングでは、振った数よりも質にこだわっています。目指しているのは、和田一浩さん(元中日)のように伸びていく分厚い打球。そのために、強いインパクトで、どうすればセンター方向へ力強く打てるのかを常に考えながら取り組んでいます。質を意識していくことで、結果的に量も自然と増えてくるのではないかという感覚です」

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