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【プロ野球】ヤクルト期待の大型遊撃手・田中陽翔が積み重ねた試行錯誤 「人と同じことをしていたら突き抜けられない」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 田中陽翔(はると)は、群馬・健大高崎高3年春(2024年)の選抜大会でレギュラーとして優勝に貢献。その年、ドラフト4位でヤクルトに入団した。

 昨シーズンは、高卒新人として12球団一番乗りで一軍昇格を果たすも、初打席は3球三振とほろ苦いデビューに終わった。その後は再び二軍の戸田球場で鍛錬を重ね、シーズン最終盤に一軍へ再昇格。プロ初安打を放つと、その後の試合では猛打賞も記録するなど、高卒新人として十分な成績を残した。

高卒1年目の昨季、13打席ながら打率3割超えを果たしたヤクルト・田中陽翔 photo by Sankei Visual高卒1年目の昨季、13打席ながら打率3割超えを果たしたヤクルト・田中陽翔 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【吉田正尚の自主トレに参加】

 12月のオフは「スピードを出すことを目的に、それが野球の動作につながれば」という考えのもと、戸田で走り込んだ。1月には吉田正尚(ボストン・レッドソックス)の自主トレに参加するなど、飛躍へ向けた準備に余念がない。

 昨年の新人合同自主トレ。身長183センチ、体重88キロの大型遊撃手は、厳しいランメニューでも「体幹を意識し、何事も垂直に動くことを心がけています」と語り、姿勢を崩すことなく走る姿が印象に残った。

「自分が動くなかで感じたのは、人間はフラットに動いたほうが、力は伝わりやすいのではないかということです。股関節を曲げるなど細かな部分はありますが、かかとにもつま先にも体重をかけすぎない。そのなかで、今は少し前重心のほうがいいのかなと、やりながら感じています」

 新人自主トレが進むにつれ、田中は何かを隠し持っているような雰囲気を漂わせていった。物静かで、きついメニューにも表情を変えず、平然とこなす。合同自主トレ最終日のランメニューでは、それまで2、3位でのフィニッシュが多かったが、1位でゴール。

「けっこう自分のテンポでやるのが好きで、チームの方からは『自分のペースでやりすぎるので、もう少し臨機応変にやってくれ』と言われました(笑)」

 二軍で開幕を迎えてからも力強いスイング自体は変わらなかったが、打率は1割台後半から2割台前半が2カ月ほど続いた。

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著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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