【プロ野球】戦力外の現実とようやくつかんだ自信 徳山壮磨26歳、"新球"ツーシームに賭けたトライアウトのマウンド
「トライアウトはやっぱり独特の雰囲気ですね。すごい緊張感のある環境でした。このユニフォームを着て投げるのは最後だったので、ベイスターズでの区切りとして、ファンの方も来てくださって、ツーシームも思い描いた軌道で投げることができた。悔いのないピッチングができたと思います」
11月12日に行なわれた2025年トライアウト。その日の投手陣のなかで、印象に残る投球を見せたひとりが、元ベイスターズの徳山壮磨(26歳)だ。
ベイスターズでの4年間は苦難の連続だったと語った徳山壮磨 photo by Nishida Taisukeこの記事に関連する写真を見る
【右打者の懐をえぐる進化の投球】
トライアウトで対戦する3人のうち、最初の打者は元西武の渡部健人だった。直前の打席でレフトへ豪快なアーチを放っていた長距離砲に対し、徳山は臆することなくインコースへツーシームを続けて投げ込み、簡単に追い込んでいく。3球目の146キロのツーシームでバットをへし折ると、打球はボテボテのサードゴロに。つづく打者も、同じくインコースへのツーシームでサードゴロに打ち取り、まともにバッティングをさせなかった。
投球の軸になったのは、右打者の懐を鋭くえぐる新球"ツーシーム"だった。
「そうですね。シーズン後半から少しずつ試していて、手応えもつかんでいました。来年はこれを軸にしたスタイルで勝負しようと思っていたのですが、その機会がなくなってしまいましたからね。だから今日は、『これからの自分はこのスタイルでいきます』という姿勢をしっかり見せられたと思いますし、よかったのかなと思います」
プロ4年目の徳山は、今季一度も一軍のマウンドに立つことなくシーズンを終えた。2021年ドラフト2位で入団した期待の右腕。昨年ようやく一軍の切符をつかむと、最速156キロの力強いストレートを武器に中継ぎとして一躍存在感を示した。
開幕から8試合連続無失点を記録し、勝ちパターンにも名を連ねた。7月9日にはプロ初勝利も挙げ、最終的には29試合で防御率2.45。まさに、ニュースターの誕生。つい1年前のことである。
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著者プロフィール
村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)
1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。







































