【プロ野球】戦力外の現実とようやくつかんだ自信 徳山壮磨26歳、"新球"ツーシームに賭けたトライアウトのマウンド (4ページ目)
「4年......こんなにもあっけないものなんだな、と思いました。でも、ベイスターズでは森原(康平)さんをはじめ、本当に多くの方に相談に乗っていただき、お世話になりました。今日も森原さんがスタンドに見に来てくれていましたし、ファンの方も来てくれて。
あとは両親も呼んでいました。もしかしたら、今日が最後に投げる姿になるかもしれないと思ったので、その人たちの前でベイスターズのユニフォームを着て、今の自分にできるピッチングを出しきれたのはよかったです。最初はトライアウトに参加するかどうか悩んだんですけど、今は出てよかったと思っています」
そしてトライアウトでの3人目の打者は、元広島の松山竜平だった。スタンドからは大歓声が起こる。松山は徳山にとって、プロ初ホームランを浴びた因縁の相手。そのうえ場所も同じ広島での対戦だ。カウント1−3から投じた外角ギリギリを狙ったツーシームは、無情にもわずかに外れ、フォアボールとなった。
「やっぱり意識せずにはいられませんでしたね。対戦相手に松山さんの名前があった時に、運命じゃないかって勝手に思ってしまって(笑)。悔しいんですけど、最後にこういう勝負ができたことも、これからの人生にプラスになると思っています。もちろん、どこからも誘いがなければ、ここで終わってしまう可能性もあるでしょう。でも僕は続けられるならNPB、それ以外でも野球を続けていきたいし、今のスタイルで"やれる"という自信もあります」
ベイスターズでの4年間は、振り返れば苦しい時間のほうが多かったのかもしれない。それでも、幾多の濃密な試練と向き合い、もがき続けるなかで新たなスタイルと自信をつかみ直した徳山なら、次のステージでも必ず闘えるはずだ。まだ26歳。次のマウンドでどんな姿を見せてくれるのか、楽しみにしている。
著者プロフィール
村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)
1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。
フォトギャラリーを見る
4 / 4







































