【プロ野球】選手会が守り抜いた「トライアウト存続」の舞台裏 復帰率2〜6%の現実と新たな価値 (3ページ目)
入場者に無料配布されたパンフレットやクリアファイル photo by Murase Hidenobuこの記事に関連する写真を見る 入場者には、特製クリアファイルに加え、参加選手のプロフィールや対戦スケジュール、さらには選手へ応援メッセージを送れるQRコードを掲載したパンフレットが無料で配布された。こうしたサービス面の充実も、大きな改善点。ちなみに取材対応もすばらしく、希望をシートに書けば、出番を終えた選手が、生中継テレビ→収録テレビ→各局テレビ→新聞・雑誌と回転すし方式で流れてくる手際は見事であった。
球場では、球団の厚意により飲食店やグッズ売り場が開放されたうえ、新たな試みとしてコンコースではトライアウトのオリジナルグッズも販売された。「挑め、その先へ」とデザインされたタオル(税込1980円)とピンバッジ(税込1500円)の2種類で、「収益は選手に還元されます」という場内アナウンスも流れたことから、ブースには行列ができるほどの人気となった。
また、シートノック前には、今年問題となった"インプレー中のSNS投稿"について、来場者に向けた異例のアナウンスがあった。「参加選手のプレーを多くの方に見ていただきたいという考えのもと、観戦者の皆様による、非営利を前提とした個人のSNS投稿を原則自由といたします」という内容で、これも選手会主催ならではの試みと言えるだろう。
【エイブルが冠スポンサーとなったワケ】
そして、今年のトライアウトが開催にこぎつけた背景には、冠スポンサーのエイブルHD、さらに協賛企業としてHOZENの存在が大きなアドバンテージとなった。しかし、なぜ、「お部屋探しのエイブル」なのか。新たな球団で引っ越しが必要な時に、お世話をしてくれるのだろうか。
森事務局長が語る。
「選手会だけでも開催が不可能というわけではありませんが、現実的にはかなり厳しかったと思います。もともとエイブルさんとは、選手会が主催するキャッチボールクラシックなどでお付き合いがあり、社長さん自身も野球経験者です。『野球選手が挑戦できる場は、きちんとつくってあげなければならない』と、トライアウトの理念に賛同してくださっていました。さらに、『もし野球を離れることになっても、エイブルには人材紹介の事業もあるので力になれるのではないか』と、セカンドキャリアの面でも理念が一致したという経緯があります」
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