【プロ野球】選手会が守り抜いた「トライアウト存続」の舞台裏 復帰率2〜6%の現実と新たな価値 (2ページ目)
日本プロ野球選手会事務局長の森忠仁氏 photo by Nishida Taisukeこの記事に関連する写真を見る「昨年のトライアウト終了後、選手会として『トライアウトを存続させるべきかどうか』を検討するため、現役選手や過去の出場経験者など170名にアンケートを行ないました。すると、『開催してほしい』『出場できてよかった』という意見が大半を占めていました。そこで会議を重ね、開催へ向けた道筋を探ってきました。
ただし、実際に開催するには、会場の確保、運営費用、スタッフの手配など、乗り越えるべき課題が多くあります。NPBにも費用面などの聞き取りを行ない、そのうえでスポンサーを探し、球場は広島に提供していただき、スタッフも地元の伯和ビクトリーズの選手が協力してくれることになりました。多くの方々の支えがあったからこそ、開催にこぎつけることができました」
選手会が引き継がなければ、トライアウトは昨年で幕を下ろしていたはずだ。しかし、まさに"雨降って地固まる"というべきか。今年のトライアウトを見て、その変化ぶりに驚かされた。
【選手会主導で一新されたトライアウト】
まず感じたのは、イベントとしての進化である。昨年までのNPB主催のトライアウトは、開催場所が12球団の持ち回りで毎年変わるため、いわば"選手が再挑戦するための最低限の環境を提供する場"という、お役所的な雰囲気があった。ファンを迎える体制も含め、その対応は球団によってまちまちだった。
これまでは基本的に入場無料だったが、今年は運営費の都合もあり、入場料として1000円を徴収。それでも平日昼間の開催でありながら、スタンドにはコロナ以降最多となる4863人が集まった。有料化によって、ファンへのおもてなしの部分が大きく改善されたことも、無関係ではないだろう。
選手会の事務方には、優秀なスタッフが外部から参加。参加者の事前発表も、開催の案内も一般ファンにはされないケースがほとんどだったが、今年は特設ページがつくられ、1週間前には参加選手の顔触れが発表。事前の周知がされたことで、そこからチケット売り上げは加速したという。
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