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【プロ野球】「感覚だけの時代は終わった」 西武・仁志敏久コーチが語る、投高打低の時代を生き抜く打者の条件 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

【テクノロジーと現場の壁】

 投手たちはトラックマンやラプソード[牧野2]を効果的に活用する一方、打者にはトラジェクトアークやアイピッチという、相手投手のボールを再現する打撃マシンも出てきた。練習法を変えていく必要もあるのだろうか。

「いろいろな練習方法がありますけど、意外とできることって限られています。お金をかけて、コンピューターを使えば神経系のトレーニングもできるのでしょうけど、そればかりやっていても仕方ない。

 そもそもトラジェクトアークを置く場所も必要だし、そのための施設をつくるには相当お金がかかります。何か工夫しなければいけないでしょうけど、今、僕らができることはチューブを使って(打撃で)動きを出すための工夫をするとか。グラウンドレベルだと、アレンジした内容のメニューを考えるくらいしかできないですよね」

 トラジェクトアークは3年契約で約1億円のリース料がかかると言われ、設置するためには一定以上のスペースが必要になる。巨額投資が求められ、簡単に置けるわけではないという。

「でも単純に言えば、相手投手のボールを弾き返せる打ち方ができていなければ、そもそも打てないわけです」

 仁志コーチが言うように、まずは打者が土台を身につけることが先決だ。そのうえで、テクノロジーの出番になる。

「たとえば、体力のない人がどんなにお金をかけて新しいことをしても、打つエンジンを持っていない人には打てません。そういう意味では、ピッチャーはみんなそれなりのトレーニングをして、考えてやっている。野手も同じようにやらないと、同じステージには立てないんですよね」

 MLBでも3割打者が減っている一方、パワーある打者の活躍が目覚ましい。ナ・リーグトップの56本塁打を放ったカイル・シュワーバー(フィリーズ)は打率.240、ア・リーグで最も多い60本塁打のカル・ローリー(マリナーズ)は打率.247だ。OPS(出塁率+超打率)が重視される現代野球では、こうした道もあるのだろう。

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