【プロ野球】「感覚だけの時代は終わった」 西武・仁志敏久コーチが語る、投高打低の時代を生き抜く打者の条件
西武・仁志敏久コーチインタビュー(後編)
今季、3割打者は3人と極端な"投高打低"時代の今、難しい役割を背負っているのが各チームの打撃コーチだ。
ホークアイやトラックマンという弾道測定器が各球場に設置され、選手たちの動作は丸裸にされる。最新テクノロジーをより使いこなしているのは投手たちで、球速&パワーアップ、変化球の多様化が急激に進んでいる。
打者たちはどう対応していけばいいのか。球界屈指の理論派として知られ、今季から西武を指導する仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチは、こう語る。
今季、自己最多となる125試合に出場した西武・滝澤夏央 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【感覚だけでは対応できない】
「ピッチャーのレベルに到達するには、野手は既存のプロ野球界の常識からレベルを上げていかないといけない。要するに、『あまりトレーニングをしません』『感覚でやっています』という選手はたぶん置いていかれます。いくら感覚がよくても、スピードのあるボールに対して反応よくバンと力を発揮できる体を持っていないと、力は発揮されないので」
感覚だけでは対応できないほど、現代の投手たちは進化している。今や球速150キロは当たり前という世界だ。
では、感覚の劣る打者はどうすればいいのか。仁志コーチが続ける。
「感覚がない選手は、やっぱり考えないといけない。相当割り切って考えなければいけないですね。先回りして、相手がどうしてくるかを考えていく。自分の理性ばかりでバッティングをやり、『飛ばしてやる』とブリブリ振り回していると、相手の術中にはまります」
以前のような「外角低めに投げればいい」というバッテリーの考え方は変わり、ストレートは高めに投じてホップ成分を有効に使って打ち取る。変化球もどのような球速帯が理想的なのかまでデータで判明し、握り方や変化のさせ方もテクノロジーを活用して改善できる。
打者にとっては、極めて難しい時代と言える。仁志コーチがバッター目線で語る。
「変化球の種類も増えていますからね。相手も当然、バッターの弱いところは簡単に把握してくる。そうすると野手は、いかに自分を知るかも重要になっています。二軍の若い子たちは特にそうですけど、自分の現在地をわからずに理想ばかり追い求めている選手は、やっぱりうまくいかないと思います」
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。










































