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巨人を戦力外となった高橋優貴が球団スタッフのオファーを断り、社会人野球でプレーすることを決めた理由 (2ページ目)

  • 飯尾哲司●文 text by Iio Tetsuji

【勝利に貢献することが会社への恩返し】

── プロ野球のドラフト1位の選手が社会人野球に移籍するということで、不安はありませんでしたか。

高橋 プロ野球のドラフト1位というのは、1年に12人しか選ばれないので、それは光栄なこととして受け止め、前向きに考えていました。ただそれはプロでの話であって、今はミキハウス野球部の一員ですから、そんなことはまったく考えていません。都市対抗野球や日本選手権に出場、勝利に貢献することが、採用してくれた会社への恩返しになると思って精進したいと思っています。

── 社会人野球の近畿地区の強豪というと、NTT西日本、大阪ガス、日本生命、パナソニック、三菱重工Westなどが思い浮かびます。

高橋 ミキハウスは近畿代表として4年連続5度目の都市対抗出場を果たしています。先述したように、昨年は日本選手権にも出場しました。

── プロ野球と社会人野球の大きな違いは何でしょうか。

高橋 最大の違いは一発勝負トーナメントの緊張感ではないでしょうか。社会人野球をまだ経験していない部分が多いので詳しくは言えませんが、違った野球観が生まれて、自分にとっていいものになるのではないかと思います。

── 会社の業務的にはどんなことをされているのですか。

高橋 ミキハウススポーツスタジアムには、立派な専用グラウンドと室内練習場があります。住所的には三重県伊賀市ですが、車を5分も走らせれば奈良県になります。一緒に巨人から移籍した菊田拡和選手は、専用グラウンド横の物流センターで午前中は商品の出荷業務。桜井投手と僕は、今のところグラウンド、マウンドなどの環境整備に勤しんでいます。

【将来的には高校野球の監督をやりたい】

── そういえば、高橋投手は大学時代に教員免許を取得しているのですね。

高橋 もともと教員という職業に興味があって、教科は「情報」の教員免許を取得しました。

── プロ野球選手にならなかったら、高校野球の監督になりたいと思って教員免許を取得する選手もいるらしいですね。

高橋 もしそういう機会があれば、高校野球の監督として、力添えできればなと考えました。特に高校生は成長スピードが速く、ものすごいパワーを持っています。ただし、野球の技術だけが上がればいいというのではなく、高校野球の大事なところは「野球を通しての人間形成」だと思います。

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