村上宗隆、岡本和真、佐藤輝明はメジャーで通用するのか? 名コーチ・伊勢孝夫が課したハードルは「日本で45本塁打、100打点」
プロ野球12球団のキャンプがスタートし、2025年シーズンも目前に迫ってきた。今シーズンは開幕前にドジャースとカブスのMLB公式戦が東京で開催されるなど、話題に事欠かない。
また日本でプレーする選手たちも、村上宗隆(ヤクルト)が今オフのメジャー挑戦を明言しており、岡本和真(巨人)もメジャー移籍の可能性が報じられている。さらに、佐藤輝明(阪神)も具体的な時期こそ明かしていないが、昨年オフの契約更改時にメジャーに挑戦したいと訴えた。
はたして、彼らはメジャーで真価を発揮できるのか。そのために必要なポイントとは何か。名コーチとして名を馳せ、多くの打者を育ててきた伊勢孝夫氏に解説してもらった。
メジャー移籍が目標と語る(左から)岡本和真、村上宗隆、佐藤輝明 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【メジャーで成功するカギはスピード】
大谷翔平は例外としても、ダルビッシュ有、菊池雄星、前田健太らの活躍により、日本のトップレベルの投手がメジャーで十分通用することは証明されている。では、打者はどうか。
イチローや松井秀喜の成功例はあるが、特に長距離打者に関しては、日本で40本塁打を打ってもメジャーでは20本がせいぜいというのが現実だ。メジャーには、アメリカだけでなく、ドミニカやベネズエラ、キューバといった中南米から屈強な選手たちが数多く集まり、パワー勝負だけでは歯が立たない世界である。
そんななかで、村上、岡本、サトテル(佐藤輝明)がどこまで通用するのか、多くのファンが関心を寄せているのではないだろうか。
この流れも"大谷効果"と言えるのかもしれない。2023年のWBC、そして昨シーズンの圧倒的な活躍を見て、同じスラッガータイプの選手たちは強い刺激を受けたはずだ。「大谷にできるなら、オレだって」と思った選手もいるだろう。
しかし、勘違いしてはいけない。メジャーの投手が投げるボールは、本当に厳しいものばかりだ。それに対応するには、並外れたスイングスピードがなければ、惨めな思いをして帰国することになる。
1 / 3
著者プロフィール
木村公一 (きむらこういち)
獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。