【ヤクルトファーム・戸田の悲喜交々】苦しむドラ1ルーキー、若手の成長を願うベテラン野手、先発を目指す元最優秀中継ぎ投手... (7ページ目)
陸上競技場で汗を流す選手たち。奥川恭伸(写真左)の姿もあった photo by Shimamura Seiyaこの記事に関連する写真を見る ある猛烈な暑さの朝8時半、原樹理(31歳)が上半身裸で外野のポール間を走り込んでいた。全身から滝のように汗が流れている。
昨年は上半身のコンディション不良の影響もあり、一軍での登板機会がないままシーズン終了。今シーズンは前半こそ重苦しい投球が続いたが、ブルペンに加入してからは「今はさわやかに投げることができています」と笑顔を見せた。
「この1年半、痛みとの戦いでしたけど、今はそれがなくなって'もっと腕を振って投げよう'と。そのために投げ方も変えました。あとはこれを継続できればと」
8月27日、原は「とにかく2年ぶりなので、今は何とも言えないです(笑)」と、神宮球場に戻ってきた。その夜の巨人戦に中継ぎとして登板。岡本和真にホームランを許したが2回1失点で登板を終えた。
この日、前出の清水は二軍のDeNA戦(横須賀)に先発。5回2/3を2失点。またひとつ前進した。29日には尾仲祐哉が一軍合流。二軍では中継ぎで27試合で防御率1.01の数字を残していた。
今シーズンも残り1カ月となった。戸田からひとりでも多くの選手が神宮の舞台で輝けることを願ってやまない。
著者プロフィール
島村誠也 (しまむら・せいや)
1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。
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