高木豊がパ・リーグ6球団の前半戦を総括 Aクラス争いはどうなる? 最下位・西武の後半戦の戦い方にも言及した (6ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【西武】

 西武は若手を育てる方向に舵を切ったほうがいいです。ここ数年を振り返っても、「いい若手が出てきたな」と思える野手がなかなかいない。源田壮亮や外崎修汰に関しても、結果が出ないのであれば外し、若い選手を入れて経験を積ませていくしかないです。

 来季以降を見据えて若手にシフトしても、誰も文句は言いませんよ。ただ、育てていくポテンシャルを感じる選手がいる、ということが条件です。やっぱりファンはお金を払って球場に来ているわけですから。

 ここ最近は山村崇嘉に4番を打たせていますね。確かに山村はいいものを持っています。ただ、「ちょっと待てよ、ファームに4番候補はいないのか」と思ってしまいます。大砲として期待されている渡部健人も一軍の試合に出られないとなると、お先真っ暗です。

 ピッチャーはいいですね。隅田知一郎、武内夏暉、(7月15日の)オリックス戦でプロ初勝利を挙げた菅井信也もいいですし、先発陣は順調に育っています。「野球はピッチャー」とも言われますが、そこがしっかりしているのは救いです。

 西武に関しては、来年どうこうという問題ではありません。すでに基盤ができている強いチームだって来年のことは考えます。今の西武は、その基盤から作っていかないといけない。そこをおろそかにしていると、他のチームとの差はどんどん広がっていきます。中途半端にツギハギで選手をあてがうよりは、本腰を入れてゼロから始めたほうがいいと思います。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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