高木豊がパ・リーグ6球団の前半戦を総括 Aクラス争いはどうなる? 最下位・西武の後半戦の戦い方にも言及した (5ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【オリックス】

 オリックスは勢いに乗れそうかなと思うと乗れない。そんな状態を繰り返しています。やっぱり山本由伸が抜けたことが大きな要因でしょう。高い確率で連敗を止められる投手がいませんから。それと、宮城大弥が離脱していましたし、山下舜平大は復帰してからも状態が今ひとつです。アンダーソン・エスピノーザや曽谷龍平らは頑張っていますが、宮城、東晃平がそれぞれ3勝、山下が未勝利では苦しくて当然です。

 ただ、野手はそろってきていますし、西川龍馬もパ・リーグの野球に慣れてきています。4位の楽天に少し離されましたが(3.5ゲーム差)、まだまだいけます。チームとして優勝争いの経験値が高いですし、シーズン終盤の勝負強さを一番持っているチームだと思います。けっこう借金があったのを、一時的に5割に戻した力があるわけですから、貯金を作っていくことも可能なはずです。

 期待していた頓宮裕真(打率.199)、杉本裕太郎(打率.210)の数字は厳しいですが、上位を狙っていくうえで彼らの復調は欠かせません。ただ、繰り返しになりますが、打つほうのメンバーはそろってきている。森友哉、紅林弘太郎、西川らは比較的に安定しているので、それ以外のメンバーがどれだけ状態を上げていけるかでしょうね。

 戦えないことはないのですが、リズムに乗っていけない状態を、中嶋聡監督がどう整備していくかに注目しています。

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