高木豊がパ・リーグ6球団の前半戦を総括 Aクラス争いはどうなる? 最下位・西武の後半戦の戦い方にも言及した (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【日本ハム】

 チーム全体が一時のスランプ状態を抜けて、勢いが徐々に戻ってきましたね。フランミル・レイエスがランナーがいる時に打ってくれたり、水谷瞬もいい働きを続けています。あとは水野達稀が離脱して不安定だった部分を、バッティングが好調な石井一成が出てきて打線に勢いをつけた。万波中正や清宮幸太郎にホームランが出はじめたのも大きいです。

 ただ、スタメンが重量打線になってきているのが少し気がかりです。長打力がある選手が増えて、相手バッテリーにはプレッシャーを与えられるのですが、脚力という観点では少し重いかなと。五十幡亮汰や田宮裕涼ら足の速い選手もいますが、五十幡はスタメンじゃないことも多いですからね。新庄剛志監督はランナーを動かしていきたいタイプなので、そのあたりがどうなのかなと。ただ、試合後半になってくると、代走の出し方など巧みにやっていますしね。

 投げるほうでは、先発で安定的に勝てるピッチャーの枚数を増やしたいところ。リリーフ陣は池田隆英が戻ってきたのは大きいですよね。河野竜生や杉浦稔大らもいますし、夏場を乗りきるために層が厚いに越したことはありません。

 順位に関しては、「オールスター前のロッテとのカードで3連勝したら面白くなる」と思っていたらそのとおりになって、1ゲーム差まで詰め寄ったのが大きい。あわよくば優勝も狙っていける位置につけていると思います。ただ、これはロッテにも言えることなのですが、日本ハムも勢いよく連勝したと思っていると、急に連敗をしたり浮き沈みが激しい傾向があります。チームの調子の波をいかに少なくしていけるかがポイントですね。

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