谷繁元信が12球団のキャッチャー事情を解説「ワンランクレベルが上がった」と注目する捕手は? (2ページ目)
── 谷繁さんの現役時代は、セ・リーグは矢野燿大さん(阪神)、西山秀二さん(広島)、中村武志さん(中日)、阿部慎之助さん(巨人)、古田敦也さん(ヤクルト)、そしてパ・リーグも里崎智也さん(ロッテ)、城島健司さん(ソフトバンク)、伊東勤さん(西武)、鶴岡慎也さん(日本ハム)など、時代は多少前後しますが、各チームに絶対的な捕手がいました。
谷繁 スケジュールなどを考慮すると、ひとりの捕手にする必要はないと思います。ただ現状を見ていると、レギュラーになる可能性のある選手がちょこちょこ出てきているという印象です。
【セ・パの打てる捕手に注目】
── 現在、谷繁さんが注目している捕手は誰ですか。
谷繁 パ・リーグでは田宮です。千葉の成田高からドラフト6位入団の6年目の選手です。昨年終盤10試合に出場して、レギュラーになる可能性はあると見ていましたが、日本ハムには実績のある伏見寅威や、大学ナンバーワン捕手と呼ばれ昨年のドラフトで2位指名された進藤勇也などライバルが多い。そのなかで、今季開幕スタメンの座を勝ちとるや、首位打者争いを演じる活躍でブレイクしています。結果を出したことで、さらに成長している感じがします。
── 田宮選手の守備面はどうでしょうか。
谷繁 まず肩がすばらしい(盗塁阻止率・394=リーグ1位/6月25日現在、以下同)。キャッチングにはまだ課題が残りますが、合格点の域に近づきつつあります。リードに関しては、レギュラーを4、5年張っているわけではなく、実質まだ1年目なので、これからさらに伸びる可能性もあるし、もしかしたら成長が止まる可能性もあります。しかし、それは田宮に限ったことではなく、ほかの選手にも言えることです。これからが本当の勝負です。
── ほかに気になるパ・リーグの捕手はいますか。
谷繁 実績のある甲斐が全体的にワンランクレベルが上がったと感じています。何度も日本一を経験し、日本代表でも活躍しましたが、リード面、キャッチング面でも向上心を持って取り組んでいる姿が見てとれます。打撃も昨年(打率.202、10本塁打)よりいいです。DeNAとの交流戦でも元チームメイトの森唯斗から本塁打を打つなど、パンチ力も健在です。
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