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谷繁元信が12球団のキャッチャー事情を解説「ワンランクレベルが上がった」と注目する捕手は? (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── セ・リーグはいかがですか。

谷繁 ベイスターズの山本ですね。京都翔英高から独立リーグ・BC滋賀を経て、ドラフト9位入団の7年目。私もここまで急激に伸びると予想していませんでした。とくに打撃面で目を見張るものがあります。昨年は伊藤光や戸柱恭孝らと併用されていましたが、今季はメインで出場しています。

── ほかに楽しみな捕手はいますか。

谷繁 6月12日のソフトバンク戦でスタメンマスクを被ったヤクルトの鈴木叶は、高卒1年目の捕手です。この時期に一軍の試合に出るということは、起用したい何かがあるということ。将来が楽しみな選手ですね。

── そして巨人は、打撃のいい大城、経験力豊富な小林、戸郷翔征のノーヒット・ノーラン達成の試合でマスクを被った岸田の3人で、それぞれ出場を三分しています。

谷繁 昨年は原辰徳監督の最終決定で、大城がメインでマスクを被りました。ただ、昨年ヘッド兼バッテリーコーチを務めていた阿部慎之助監督が、ベンチで見ながら「自分ならこうする」という考えを持っていたと思うんです。たとえば、大城が毎年3割、30本塁打、70〜80打点という数字を残していたら、間違いなくレギュラーで使うと思います。しかし、それだけの数字を残せないのであれば、ディフェンス面なども考慮して、小林や岸田を含め競争の余地があるのではないかと。実際、チーム防御率は現時点ではありますが、昨年の3.39(リーグ5位)から2.47(リーグ3位)とよくなっています。阿部監督のなかにディフェンスを強化したいという考えがあるのでしょうね。


谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)/1970年12月21日、広島県生まれ。江の川高(現・石見智翠館)時代に甲子園に2度出場し、3年夏はベスト8進出。88年のドラフトで大洋(現・DeNA)から1位指名を受けて入団。98年にはベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得し、日本一に貢献。2002年に中日に移籍。06年にWBC日本代表に選出され、世界一を獲得。13年に通算2000本安打達成し、14年から選手兼監督となり、15年に現役を引退、16年は監督選任となり指揮を執った。通算3021試合出場(NPB歴代1位)、27シーズン連続本塁打など、数々の記録を残した。引退後は各種メディアで評論家、解説者として活躍している

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