巨人で活躍した「メジャーで無名だった」助っ人たち 過去には最多勝、奪三振王、ホールド歴代4位も... (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【エースの斎藤雅樹と両輪を形成したガルベス】

 バルビーノ・ガルベス(巨人在籍1996年〜2000年)のメジャーリーグ出場は、1986年の10試合のみ。そのうちの7試合はビハインドの場面で登板した。1994〜1995年に台湾で2年連続165イニング以上&防御率2.60未満を記録したものの、テストを受けて巨人に入団したことからもわかるように、当初の期待は大きくなかった。

 だが、来日1年目の1996年、ガルベスはエースの斎藤雅樹と両輪を形成した。12完投と203.2イニングはセ・リーグで最も多く、16勝も斎藤と並ぶ最多タイ。防御率3.05は斎藤の2.36に次ぐリーグ2位に位置した。その後の3シーズンも規定投球回をクリアし、防御率は3.70未満。打者としても、1996〜1999年の4シーズンに計10本のホームランを打った。

 1996年の巨人には、台湾でガルベスとチームメイトだったマリオ・ブリトー(巨人在籍1996年)もシーズン序盤に入団し、落差の大きな「お化けフォーク」を決め球に19セーブを挙げた。マリオはアジアで投げる以前、マイナーリーグで先発100登板以上とリリーフ100登板以上を記録するも、メジャーデビューはできなかった。

 ウィルフィン・オビスポ(巨人在籍2007年〜2010年)は育成選手として巨人に入団する前は、ドミニカン・サマーリーグで投げただけ。アメリカ国内のマイナーリーグでは未登板だった。

 2009年も2010年も先発とリリーフが7登板ずつなので、そう活躍したようには見えないかもしれない。だが、2009年のポストシーズンでは、クライマックスシリーズ第2ステージの2試合目と日本シリーズ第3戦の先発マウンドに上がり、5.2イニング2失点と6イニング3失点。どちらも白星を挙げた。

 スコット・マシソン(巨人在籍2012年〜2019年)は、2度のトミー・ジョン手術を挟み、2006年と2010年〜2011年にメジャーリーグで15登板したのち、巨人にやってきた。

 そこから8シーズンで421試合に投げ、54セーブと歴代4位の174ホールドを記録。シーズン40ホールド以上が2度(2013年、2016年)は、浅尾拓也(中日/2010年〜2011年)、佐藤達也(オリックス/2013年〜2014年)、宮西尚生(日本ハム/2014年、2019年)と並ぶ。3度以上の投手はいない。

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