「ハマの番長」の背番号18を継ぐ小園健太がついに一軍デビュー ライバルであり親友でもある投手から託された想いに「やらなきゃいけない」 (3ページ目)
投手としての成長。はたして自分はどんなピッチャーであり、何か必要なのか。それを客観的に分析し、自ら工夫ができる選手でなければ大成することはできない。小園は着実にプロとして、そして勝つことができる投手としての階段を昇っている。
DeNAの首脳陣もまた、チームの将来を担うであろう小園にかける思いは大きい。宜野湾キャンプに参加した小園は、初の実戦となる紅白戦で先発を任された。
「チームで一番早く実戦で投げさせていただけたことで、期待されているんだなって感じました」
だが、キャンプ中の実戦はいささか慎重になりすぎ、自分らしいピッチングを見せることができなかった。そんな時、三浦大輔監督から言われた言葉が胸に刺さった。
「フォアボールを結構出してしまって、三浦監督から『際どいところを攻めすぎている』と言われたんです。『真っすぐでファウルを取るのであれば、(ストライク)ゾーン内にアバウトでいいから強いボールを投げなさい』とも。そこから考え方が変わって、とにかく甘くてもいいから強いボールを投げようって」
よく捕手の伊藤光なども言うが、四隅やライン上に投げ続けることができる投手はいない。DeNA首脳陣としても投手陣に求める共通認識は"ゾーン内を攻め、早めにストライク先行のカウントをつくる"であり、小園はその注文に沿って懸命に腕を振った。
すると横浜に帰って来てからのオープン戦では好投が続いた。3月6日のロッテ戦では4回を投げ、4安打、無失点、無四球で終えると、20日のオリックス戦では雨が降る難しいコンディションのなか、強力打線を相手に5回を投げ、3安打、2失点、1四球と十分な数字を残した。
「ゾーン内で勝負するという意味で、出力を出すというよりは、しっかりと自分のいいボールをキャッチャーに投げ込むことができた結果です。こういうピッチングをすれば一軍でも抑えられるんだって自信になりました」
生命線となるストレートでファウルや空振りを奪うことができ、それに付随しカーブやスプリット、カットボール、スライダーといった変化球も効果的に使えるようになった。
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