高木豊がセ・リーグの助っ人たちを4段階で評価 人数過多の巨人は「起用する側に問題があった」 (6ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

◆中日【野手△/投手◎】

 最下位に低迷した中日は、ダヤン・ビシエドが昨季の数字を大きく下回る不振に陥り、期待されたオルランド・カリステも数字を伸ばせなかった。一方でライデル・マルティネスは、例年通りに絶対的なクローザーとして君臨した。

「ビシエドは☓です。首脳陣がビシエドを使うのか、使わないのかをはっきりさせなかった点では同情します。シーズン全体を考えた時、調子が上向くまで我慢して起用しなければいけない時期もあると思うのですが、『もう代えちゃうの?』という感じのスパンで代えられていた。それでは落ちついて野球ができません。彼は日本での実績がありますし、使っていたら打てる時期が必ず来るので、ある程度我慢して使うべきだったんじゃないかと思います。

 カリステは数字だけ見ると物足りないですが、ショートの守備ですごくいい動きを見せてくれました。日本の野球に慣れようと努力していた部分も考慮して、◯でいいと思います。決してうまいとは思いませんが、守備がダイナミック。あれだけの動きができるショートはなかなかいません。

 投げるほうでは、マルティネスは◎です。48試合に登板して防御率0.39は驚異的。投げたらほぼ救援失敗がないわけですから。何年も安定した成績を残していますし、文句のつけようがないです。

(ウンベルト・)メヒアもすごくよかったです。シーズン途中から加入したが、コントロールもいいし、先発として十分なピッチングを見せてくれました。ただ、やはり打線が点を取ってくれないと勝てません。今まで、これほど打てないチームで投げた経験はないんじゃないですかね。(マイケル・)フェリスはピンチでも冷静に投げていたのが印象的ですし、シーズン終盤は安定していました」

【助っ人外国人の成績】

(野)ビシエド 91試合 打率.244 6本塁打 23打点 出塁率.311 OPS.641

(野)カリステ 47試合 打率.233 5本塁打 13打点 出塁率.265 OPS.639

(投)メヒア 8試合 3勝1敗 防御率2.23  QS率62.5

(投)マルティネス 48試合 3勝1敗9ホールド32セーブ 防御率0.39

(投)フェリス 19試合 1勝0敗9ホールド 防御率3.14

【パ・リーグ編:助っ人たちに辛口評価 大型補強のソフトバンクは 「なぜ獲ったんだ」という選手も>>】

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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