鉄平が落合博満の眼力、慧眼に驚き「おまえ、もともと左打ちじゃないだろう」と初めて指摘された (3ページ目)
── 野村監督は鉄平さんのことを「安物の張本勲(通算3085安打、首位打者7回)」と言っておられました。
鉄平 野村監督はよく「無視、称賛、非難」のフレーズを使っていました。三流選手は無視、二流選手は褒めて上を目指させる。そして一流選手は勘違いしないように非難する。自分も"称賛"のところまで来られたのかと、うれしかったですね。
── 野村監督と野球について話をしたことはありましたか。
鉄平 けっこうメディア経由でしたね。野村監督は現役時代、うしろ側の足の軸足回転で打つタイプだったらしいのですが、僕はうしろ側の足から前側の足への体重移動で打つタイプでした。だから「前に突っ込みすぎではないか」と、何度か直接指摘されました。
── 2009年、日本ハムとのクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージで、退任が決まっていた野村監督は試合後、両チームのナインに胴上げされました。「ON(王貞治氏、長嶋茂雄氏)でもあんなことはなかった」と、かなり喜んでいたそうです。
鉄平 (当時)楽天の山﨑武司さんと日本ハムの稲葉篤紀さんの音頭で、胴上げが始まりました。僕も参加させていただいたのですが、あの光景に、あらためて野村監督が球界に残してきたものの大きさを感じました。
── 「野村野球」を言葉にすると?
鉄平 「考える野球」「準備野球」でしたね。つまり、起こってからでは遅い。物事が起こる前に準備をしておかなくてはいけません。野球は間(ま)があるスポーツだから、いろんな状況をシミュレーションして、頭のなかで準備しておきなさいと。
【星野監督は気のいいおっちゃん】
── 野村監督からマーティ・ブラウン監督に代わり、2011年から星野監督が指揮を執ることになりました。
鉄平 もともと2000年秋のドラフトで、僕をプロに入れてくれた方です。まさか、また選手と監督で再会するとは思ってもいませんでしたが、星野監督からは楽天の新主将に指名されました。
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