「侍ジャパンのみなさんも次回大会は油断しないでください」チェコ大使館の領事に聞いた、WBC後の野球人気と国内リーグの現状 (3ページ目)

  • 白鳥純一●撮影・文 text & photo by Shiratori Junichi

――ちなみに、チェコで人気のスポーツは何ですか?

「サッカーとアイスホッケーが最も人気の高いスポーツです。柔道も盛んで、私も幼い時にやっていました」

――チェコ代表のサッカー選手といえば、2003年にバロンドールを獲得したパベル・ネドヴェドさんは、日本でも広く知られています。

「そうですね。ネドヴェドさんは、チェコ国内でとても人気のあるサッカー選手でした。実際に街のレストランなどに行って『チェコの有名人を挙げてほしい』と聞いたら、多くの人が彼の名前を一番に口にすることになるでしょう」

――チェコで野球が盛んに行なわれるようになったのは、冷戦終結(1991年)以降のようですね。

「私はビロード革命(1989年12月)があった年の生まれなので、社会主義政権時代のことをリアルタイムでは知らないのですが、野球が"西側資本主義諸国の象徴"として捉えられていたことはあったようですね。野球が禁止されたり、プレーして処罰されたりするようなことはなかったようですが、異なる政治体制の国のスポーツということもあり、そこまで人気が上がらなかったのでしょう。

 ビロード革命や民主化を経て、チェコ代表チームが初めてヨーロッパ選手権に参加したのは、1996年のことでした。なので、代表チームが編成されてから、今年で27年目になりますね」

――WBCが終わった後も、チェコ代表選手によるSNSの投稿などが日本で話題になりました。チェコという国全体に関心を持つ日本人が増えたようにも思いますが、いかがですか?

「実際に『ぜひ、チェコに行ってみたい』と言ってくださる方が増えたように思いますし、ぜひチェコを訪れてその魅力に触れていただけたら嬉しいです。さまざまな事情により『チェコを訪れることは難しい』という場合は、私たちの友好団体が定期的にイベントを開催しているので、そこに参加していただくのもいいですね。

 WBCの開催以降、『チェコの代表チームを応援して感動した』という声や、『チェコの選手たちに、野球用具や日本のお菓子をプレゼントするにはどうしたらいいか?』といった質問が届くことも増えました。今回の試合をきっかけにして、両国の友好関係をさらに深めていきたいと思っています」

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