「侍ジャパンのみなさんも次回大会は油断しないでください」チェコ大使館の領事に聞いた、WBC後の野球人気と国内リーグの現状 (2ページ目)

  • 白鳥純一●撮影・文 text & photo by Shiratori Junichi

――チェコ国内でも、WBCの日本戦が放送されたそうですね?

「そうですね。チェコ国内でも注目を集めました。チェコの人口は約1051万人ですが、試合の生中継を観た人は約25万人。別の方法で試合を見た人が約84万人もいたので、間違いなくチェコ野球の新たな1ページになったと思います。3月の末には、チェコの『エクストラリーガ』が開幕しましたが、WBCがきっかけで試合の模様がテレビで放送されることが決まりました」

インタビューに答えたチェコ大使館のズィーハ領事インタビューに答えたチェコ大使館のズィーハ領事この記事に関連する写真を見る――チェコ代表の選手は、他の仕事をやりながら野球をしているとのことですが、チェコの国内リーグにプロ選手はいるのでしょうか?

「『エクストラリーガ』は全8チームで構成されていて、首都のプラハに2チームと、東部の中心都市のブルノに3チーム、あとは地方のオストラヴァ、フルボカー、トシェビーチにもチームがあります。ただ、プロ選手はおらず、選手たちは別の仕事をやりながらプレーしています」

――エクストラリーガのプロ化に向けた動きなどはあるのでしょうか?

「WBCをきっかけに、定期的にチェコの野球連盟とコミュニケーションを取っていますが、プロ化に向けた具体的な話し合いはまだ行なわれないようです」

――チェコ国内の選手たちは、どのようなきっかけで野球をやるようになるのでしょうか?

「チェコ代表選手に野球と出会ったきっかけを聞いてみましたが、『お父さんや親類に教えてもらった』という答えが最も多かったですね。

 現在、チェコの野球連盟は、野球を普及させるためのさまざまな取り組みを行なっています。連盟のスタッフが学校に出向いて野球を紹介したり、6歳から入れるユースクラブを作って、才能のある選手の発掘や育成に力を入れたり。さらに、遠投の大会を開催するといった参加しやすいイベントなど、さまざまな方法で、多くの方々に野球に親しんでもらうための活動に積極的です。

 野球のヨーロッパ選手権では、チェコ代表も好成績を残すようになってきていて、昨年の大会ではユースのカテゴリーで銅メダル、別のカテゴリーでも銀メダルを獲得しました。国内における地道な活動の成果は、徐々に現れているのではないかと思います」

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