広岡達朗が坂本勇人の現状に言及「巨人軍のスターは引き際が肝心。お金にしがみつくようだと終わりだ」 (2ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin
  • photo by Koike Yoshihiro

 昨シーズンの坂本はケガにも泣かされたが、女性問題が勃発し、メンタル面で疲弊したと思われるほどSNSで大紛糾したことは記憶に新しい。この件について、広岡はフロントの責任だとまくし立てた。

「独身である坂本のプライベートな問題をいまさらどうこう言っても始まらない。臭いものに蓋をするかのように、不問に付していることが坂本にとって負担になっているのであれば、記者会見でもしてコメントを発する機会を与えてやればよかったんだ。過去のことだから禊は済んだといっても、スター選手だけに世間が許さずインターネットを通じて大論争になる。要は、球団の対応がまずかったからこのような事態になったんだ。フロントはいつまでも巨人が球界の盟主だと思ったら大間違い。もうかつての巨人じゃないんだ」

【巨人のスターは惜しまれながら引退する】

 そして坂本のコンバートについては、次のように語る。

「ショートからセカンドに少しの間だけ移るというのはわかるが、ファーストや外野のコンバートなんて......坂本は何億もらっているの? 昨年の秋季キャンプで監督の原(辰徳)からコンバートを提案されて固辞したと聞いたが、当たり前だ。ショートを守りながら、あれだけのバッティングができたから、5億も6億ももらえたんだ。プライドだよ。金のためにしがみつくようだと、坂本は終わりだよ」

 過去、ショートからコンバートして成功した例もあるが、全員が当てはまるわけではない。

「だからといって、今の巨人のようなベテラン偏重主義を認めているわけではない。原は若手の育成もできないどころか、ベテランの去就について導き方も知らん。西武の監督時代、83年に巨人を破って日本一になった翌年のこと、シーズン途中から若手に切り替え、ベテランだった田淵(幸一)、山崎(裕之)、大田(卓司)が控えに回った。その結果、石毛(宏典)、秋山(幸二)、辻(発彦)、伊東(勤)が台頭し、黄金時代をつくっていった。上に立つ者は、決断したら懇切丁寧に説明する。これこそ指揮官の務めなのだ」

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