今年35歳の秋山翔吾が抱いた危機感 「僕は外野では三番手」から挑む移籍2年目にかける思い (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Koike Yoshihiro

 新井体制初の実戦となった2月19日、DeNAとの練習試合から1番で起用され、オープン戦に入ってもその打順でのスタメンが続いた。リードオフマンを任される可能性もあったが、開幕が始まると新井監督は秋山を3番に据えた。

「アキ(秋山)は周りが見える選手だから。1番だといろいろと気にしてしまうところがある。好きに打てる打順で打ってもらいたい」

 高い技術と経験を認めているからこその打順変更だった。

 その期待に応えるように、秋山は開幕から安打を重ねた。打撃だけでなく、練習中から守備や走塁に至るまでチームを鼓舞する姿が見える。

 移籍2年目とはいえ、豊富な経験と年長者としての強い自覚がある。そしてなにより、選手としての存在感をあらためて示す覚悟が強い。新たなステージへの一歩目ととらえるシーズンで、秋山が進化を示す。

プロフィール

  • 前原 淳

    前原 淳 (まえはら・じゅん)

    1980年7月20日、福岡県生まれ。東福岡高から九州産業大卒業後、都内の編集プロダクションへて、07年広島県のスポーツ雑誌社に入社。広島東洋カープを中心に取材活動を行い、14年からフリーとなる。15年シーズンから日刊スポーツ・広島担当として広島東洋カープを取材。球団25年ぶり優勝から3連覇、黒田博樹の日米通算200勝や新井貴浩の2000安打を現場で取材した。雑誌社を含め、広島取材歴17年目も、常に新たな視点を心がけて足を使って情報を集める。トップアスリートが魅せる技や一瞬のひらめき、心の機微に迫り、グラウンドのリアルを追い求める

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