大谷翔平のWBCの活躍にテニス界も騒然「勝負強さに惹きつけられるの!」とアメリカNo.1女子テニス選手もぞっこん! (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

【ダニエル太郎も大興奮】

 続けてガウフはこう語る。

「彼のことは記事で読むくらいだけれど、とてもひょうきんな一面もあるみたいだし。TikTokで、彼が大会中にトレーニングしている時に"変顔"しているのも面白かった! ふだんはとても冷静なのに、楽しむことの重要性もわかっているのよね。

 あとはもちろん、ピッチャーとしての能力も。弟が野球をしているので、ピッチャーとバッティングを両立することがいかに大変かは、想像できる。そのどちらでもトップにいるなんて、たぶん今の球界において最高の偉業よね」

 次から次へとあふれる言葉に、なんとなく知っているというレベルではなく、大谷に大きな関心と敬意を抱いていることがうかがえる。特に「ここぞという場面の強さ」に惹かれるというあたりに、やはりアスリートならではの共感が透けて見えるようだった。

 メキシコ戦を観戦して、ガウフと同じ点に惹き込まれたと言ったテニス選手がいる。それが、日本男子2番手で世界97位のダニエル太郎。

 ここ1カ月で世界ランキング4位(当時)のキャスパー・ルード(ノルウェー)らトップ選手に勝つなど好調のダニエルは、小学生以来という野球観戦を「ものすごくいい経験だった」と述懐した。

「あの試合の流れは、本当に奇跡みたいで。9回裏で大谷さんがトップで打席に入った時、これは絶対に何かあると感じて。大谷さんがそこで打ち、腕を振り上げて盛り上げた姿を見た時、すごい鳥肌が立ったんです。やっぱり空気の読み方とか、流れをしっかり掴んでいるのを大谷さんから感じた。

 逆に日本が負けている時も、彼はすごく冷静に見ている感じがして。それは日本の選手全員から感じたんですが、特に大谷さんは頭の中がぶれず、身体の動きもすごくきれいだったなって。そうやって心の動きもコントロールし、本当の最後にエネルギーを上げてきた。

 今、思いだしてもすごいし、彼が二塁上でベンチにこうやって(と両手を上に振り上げる)目線を向けてくれた時に、見ていた僕もものすごく気持ちが上がった。ふだんは、僕はファンに対してやる立場なんですが、逆の立場から見てエネルギーを感じられたのはうれしかったですね」

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