WBC3度出場の内川聖一が語る中国戦の難しさ「勝って当然と思われるのがいちばん怖い」 (3ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text & photo by Asa Satoshi

「格下の中国相手だから勝って当然って思われますけど、それがいちばん怖いんです。僕らは勝つしかないわけですから、格下とかは関係ありません。相手について、傾向や対策、データはもちろんありますけど、ゲームに入る時の心境が変わったりとか、そういうのはありません。格下と言われる相手でも、ひとつ間違えればやられるという気持ちは常にあります。そういう戦いを経験することによって、チームがだんだん盛り上がっていくというのも国際大会なんです。とにかく、当たり前にできることができないんじゃないかと思ったのは、WBCだけでしたね」

 WBCという国際大会の舞台に立ち、あらためて野球の怖さを知った内川だが、同時に中国代表のひたむきさが印象に残っているという。

「もちろん、僕らのほうがレベル的には上なんでしょうけど、そんな僕らに対しても『なんとかしてやろう』という気持ちはすごく感じました。それに試合を通じて、何かを吸収しようという心意気は伝わってきました。そうした必死な姿は、僕らも学ばなければいけないと思いましたね」

 いま目の前にいる中国代表も、9日の1次ラウンド初戦で日本代表と戦う。来日後、アマチュアチームと練習試合を重ねているが、この日までの勝敗は3勝1敗。ただし、勝ったゲームはすべてクラブチーム相手で、社会人チーム相手には10点を超える大差をつけられた。その結果に、WBC本番で強豪国相手の試合の行方を不安視する声もささやかれているが、内川は一笑に付する。

「本番になるとスイッチが入るんじゃないですか。どの国相手に全戦力をぶつけるかという戦略とかはわかりませんが、大会に入ればどんなチームでも気持ちのぶつかり合いになりますので。そのあたりは練習試合とはまったく違うでしょうね」

【中国のレベルは確実に上がっている】

 この日の試合は、5対4で内川が所属する大分B−リングスが勝利した。だが最後まで勝負の行方がわからない大接戦で、9回裏二死に一打同点の場面で最後のバッターが放った大飛球が背走したセンターのグラブに収まり試合は終了した。

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