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WBC3度出場の内川聖一が語る中国戦の難しさ「勝って当然と思われるのがいちばん怖い」 (2ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text & photo by Asa Satoshi

 その前年、内川はセ・リーグ最多の189安打を放ち、打率.378という右打者として史上最高打率の記録を打ち立てた。そんな内川でも、最終メンバーに残れるのか不安だったという。日本代表とはそういう場所なのだ。

 第2回大会の初戦は、今回と同じ中国戦だった。完封リレーで勝利したものの、日本代表が奪った得点は4点。この試合、内川の出番はなく、ベンチから戦況を見守った。

「初戦というのはやっぱり緊張感がすごくて、楽勝という印象はなかったですね。この大会で日本は優勝したんですけど、決勝になるとある程度試合をこなしているので、イメージはしやすいんです。ただ、初戦はそれができないんです。あの時の中国代表を見ていて、細かい部分はまだ日本のほうが優れているというのはありました。ボールのさばき方や、投球に対するバッターの反応などです。

 あと打者目線で言うと、球が遅いからといっていくらでも打てるのかというと、そうでもないんです。相手投手の球筋がわからないというのは、本当にやりにくい。もちろん、事前のミーティングで相手のデータをもらい対策はしているのですが、変化球がどういう曲がりをするのかというのは、実際にボックスに立たないとわかりません。国際試合は知らないピッチャーと対戦するので、速い、遅いではなく、そういう点で大変です」

 内川が出場したのは2戦目の韓国戦からだった。6番・ファーストでスタメンに名を連ねた内川は3打数1安打2打点の活躍で、最大のライバル相手のコールド勝ちに貢献した。この試合で日本代表のレギュラーとしての地位を確立した内川の活躍もあって、大会連覇を成し遂げる。

【格下とかは関係ない】

 つづく第3回大会(2013年)での中国戦の印象はないと内川は語るが、実際には1次ラウンドで対戦している。この試合も勝ちはしたが、スコアは5対2だった。そして2017年の第4回大会でも対戦し、日本代表は7対1で勝利。中国に対しWBCでは3戦全勝だが、内川は"格下"と呼ばれるチームとの対戦の難しさを語る。

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