【異種アスリート対談】斎藤佑樹×車いすバスケ香西宏昭が語り合う「闘うメンタルのつくり方」 (2ページ目)

香西 苦手なんですよ。ご飯とバスケと睡眠......そんな人様に見せるような生活もしてないしって。でも常々、愛想はよくしとこうって心がけています。僕、もともとは怒りっぽいし、イラつきやすいんですよ。

斎藤 えっ!? こんな優しそうな感じなのに。

香西 2016年のリオパラリンピックの時はメンタルの起伏が激しくて、それをコントロールできなくて、すべてうまくいかなかったんです。それで東京に向けてメンタルトレーニングを始めました。

斎藤 怒る原因は何なんですか?

香西 何でもです(笑)。自分のミス、周りのミスでイラつくし、審判にも......。それで、何かに動かされてしまう自分の感情が邪魔でしょうがないと感じて、動かない心、不動心を持ちたいと考えるようになりました。メンタルトレーニングでは、毎日、自分に何が起きて、それに対して感情がどう動いたかを書き出していくってことをやりました。自分のメンタルを理解するほど、クズな自分、ダメな自分が見えてきました。

斎藤 書いて初めてわかったんですか。

香西 そう、客観的に。自分がなりたくないほうになってたなと、すごい落ち込んだ時期もありました。

斎藤 僕もマウンドでは感情が出るタイプでした。怒りっぽくはないけど、打たれたらすごく悔しいし、落ち込むことも多かったんですよ。

【自分のやるべきことをやる】

香西 斎藤さんは、どうやってたんですか?

斎藤 その感情は次の日には必要ない、ちゃんと次に切り替えていかなきゃいけないって考えて、僕も書き出すようにしたんです。それで自分自身がいろいろ明確になってきて、最終的には(自分で)コントロールできることだけに集中しようとするようになりました。コントロールできないことは「関係ないや!」って割り切れるようになってからは、すごく気持ちがラクになりましたね。

香西 それ、わかります。僕もそんな感じです。

斎藤 メンタルの持ち方を変えることで、それが結果として試合に出たと感じた時はありますか?

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