山田陽翔が明かす5位指名不本意説の真相。「常に崖っぷちの気持ちでいますし、ゼロからやるつもりです」 (3ページ目)
小学校から中学、高校と常にチームのトップを走り続けてきた。とくに高校では、世代をリードする存在にまでなった。だが、プロは選ばれた者だけが集う世界だ。山田はまもなく始まる最高峰の舞台での戦いに強い思いを込める。
「常に崖っぷちの気持ちでいますし、またゼロからやるつもりです。入寮してからプロの練習についていけるように、今は体づくりに時間をかけています。筋トレ、体幹トレーニング、ランニング......。バットは振っていないですし、ピッチングもしていません。今はボールをいっさい触らず、ひたすら土台づくりです」
夏の甲子園が終わり、地元に戻ると数日後に2学期が始まり、ほどなくしてU 18の日本代表合宿、直後にアメリカ遠征。さらに、帰国後は栃木国体とハードなスケジュールが続き、ひっきりなしに取材も受けている。なかなか自分の時間を確保することが難しいのが現状だ。それでも連日、室内練習場にこもり鍛錬を積んでいる。
「高校生活があと1カ月くらいで終わるのは寂しいです。今は学校生活が楽しいですし、この当たり前の日常がずっと続いてほしいと思うこともあります。仲のいい友だちともうすぐ離れることになるのは寂しいですね」
球団の顔と言われる選手に
今年の高校野球の"主役"と言っても過言ではなかった山田は、「甲子園の申し子」「世代ナンバーワン右腕」などさまざまな呼び声で注目を集めてきた。そんな2022年を山田はこう振り返る。
「甲子園で11勝したことをよく取り上げていただいているんですけど、自分は今でもそこまで実感がないんです。甲子園はどちらかというと、センバツよりも夏の甲子園の記憶のほうが残っています。ただ、センバツ決勝で松尾(汐恩/大阪桐蔭→DeNA1位指名)に打たれたホームランは今でも悔しいですね。
でも高校野球はとても楽しかったです。ケガをしたことを除けば......。ケガで野球ができなくなること(昨年秋に右ヒジの疲労骨折)が一番つらかったです。だから、ケガをしにくいフォームとか、ケガに対する意識なども高校で学びました。プロでは絶対にケガをしないように」
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